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明日の株式相場に向けて=5月相場はあざなえる縄のごとし

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 週明け16日の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比119円高の2万6547円と続伸。株式市場は、前週末から日米欧とも一斉にアンワインド(巻き戻し)局面に移行した。前週末の欧州株市場は文字通りの全面高様相となり、これを受けて米国株市場でも主要株価3指数が揃って上昇。これまで売り込まれていたハイテク株を中心に買い戻す動きが活発化したことで、ナスダック総合株価指数の上昇率は3.8%に達した。このリスクオンの流れに東京市場も追随する形となったのだが、終わってみれば冴えを欠く相場展開であったといえる。


 朝方に日経平均は400円以上高い場面があったのだが、買いは続かずその後は急速に伸び悩んだ。米株価指数先物が軟調だったことで気勢を削がれ、前場取引時間中に発表された中国の小売売上高と工業生産高がいずれも市場コンセンサスを下回り、否応なく中国景気の減速も意識される状況となった。それでも日経平均はプラス圏をキープしたが、TOPIXはわずかながら反落となっている。プライム市場の実態は値上がり銘柄と値下がり銘柄の数を比べれば一目瞭然で、後者の方が圧倒的に多く全体の64%を占めている。


 もっとも、売り方にしても今のタイミングでは手を拱くよりない場面ではある。3月17日から3月29日にかけての強烈な戻り相場の残像がまだ脳裏に焼き付いているはずだからだ。この時はパニック的な買い戻しで、マドを3つ空けるいわゆる三空踏み上げ相場を形成、日経平均は破竹の9連騰を演じ、この間に株価水準は2万5000円台前半から2万8000円台前半まで一気に3000円以上も切り上がった。その後は下げに転じ、“三空窓埋め”まで売られたことで、前週の当欄でもテクニカル的に目先リバウンドの可能性に触れたが、それが前週末に発現した。したがって売り方の立場では、ここは静観するところだ。


 中期的見地に立てば、6月からFRBの量的引き締め(QT)がハイスピードで進められることになり、これは機関投資家の債券シフトを促すことが必至で、過剰流動性相場は思惑ではなく現実ベースで収縮していく。ただし、一方では上海のロックダウンが6月解除の方向にあることなども報じられており、これは株式市場にとってウクライナ停戦と同じくらいポジティブな要素を内包している。相場のボラティリティは常に高いが、ベクトルの向きが目まぐるしく変わりやすく、そこを読み切るのは極めて困難である。


 前週末はアンワインドの初動で瞬発力の高い戻り足を披露したものの、空売りの買い戻しが一巡すると途端に勢いを失う。突っ込み買いを心掛け、利食い千人力の相場であることに変わりはない。ソフトバンクグループ<9984>の動きが全体相場の縮図である。前週末に、同社株は業績悪もショートカバーを誘発して、全般急反騰相場の旗振り役ともなった、しかし、きょうは買いが優勢だったとはいえ、5000円台前半で早くも息切れし、大引けは70円高とわずかな上昇でとどまったことが足もとの地合いの弱さを暗示している。


 企業の決算発表が前週末でほぼ通過したことで、明日以降の相場の模様は少なからず変化することが予想される。決算発表を絡めたギャップアップあるいはギャップダウン狙いの鉄火場マネーが次にどこに向かうか、よく目を凝らす必要がある。きょうのところはゲーム関連やNFT・メタバース周辺の「ウェブ3.0関連銘柄」に突っ込みリバウンド狙いの買いが観測されたほか、貸株調達を含めた空売り筋のショートカバーが顕著だった。そのなか、フィールズ<2767>は“ウルトラマン効果”で株価を大きく上昇、さすがにきょうは買い疲れ感も出てきたが、好業績を拠りどころに約4年ぶりの高値圏を走っている。また好業績を好感されたものでは、NFT 関連で前週末に決算発表したエムアップホールディングス<3661>。一時ストップ高に買われる人気となり、4月6日につけた年初来高値を視野に入れた。このほか、低位のenish<3667>が急動意。ファンダメンタルズ面からのアプローチでは買いにくい銘柄だが、こちらは“進撃の巨人効果”で低位株特有の思惑人気を博している。メタバース 関連では、Kudan<4425>なども人気となった。


 あすのスケジュールでは、3月の第3次産業活動指数。豪中銀理事会の議事要旨(5月開催分)など。海外ではタイの1~3月期GDP、4月の英失業率、ユーロ圏1~3月期GDP、4月の米小売売上高、4月の米鉱工業生産指数・設備稼働率、3月の米企業在庫、5月の米NAHB住宅市場指数など。



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