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待ったなしの「防衛関連株」緊急検証、高まる地政学リスク

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


―「ロシア・北朝鮮・中国」の有事トライアングルに囲まれる日本、いま注目される銘柄とは―


 これまで長らく目をそらしてきた、日本を取り巻く外部環境に向き合う必要性が今急速に高まっている。いうまでもなく「防衛」問題である。周りを見ればロシア、中国、北朝鮮と火種となり得る国だらけである。気を抜けない状況の中、政府は緊迫度合いを増す状況に対応するべく防衛費の大幅増額方針を打ち出した。国家安全保障の問題が改めてクローズアップされている現在、防衛関連 は株式投資家としても注目しておかなければならない重要セクターである。


●かつてない緊迫感で防衛費は大幅増額


 自民党税制調査会は今月11日、非公式の幹部会を開催し、2023年度の税制改正議論をスタートしたと報じられた。税制改正大綱を取りまとめる12月中旬まで議論がどのように進んでいくかについて今はまだ見通せない。現状では法人税やたばこ税の増税案が浮上しているようだが、果たしてこれらが何のためかと言えば、「防衛費」の財源確保に繋げることが目的とみられている。実際、政府及び自民党内で防衛費を23年度から5年間で総額43兆円あまりとする案が浮上したことが大々的に伝わった。また、防衛費の算定では、安全保障関係費を幅広く組み入れるべく「北大西洋条約機構(NATO)基準」を採用するもよう。ちなみに防衛費は22年度当初予算で5兆4000億円だった。今回伝わった案では、23年度に約6兆5000億円、その後毎年1兆円程度増額し、5年後の27年度には約10兆8000億円(5年総額で43兆1000億円)という計算だ。


 他にもっと重要なことがあるという意見もまだまだ多いと思われるが、日本を取り巻く外部環境はかつてなく緊迫度合いを増していることは疑う余地がない事実だ。特に足もとで進行中のロシアのウクライナ侵攻によって、武力行使は相手国の決断次第で実際に行使されるという非情な現実を再認識した人々も多いはずだ。恐怖をあおるという狙いもあったかもしれないが、ロシア連邦安全保障会議のアレクサンドル・ベネディクトフ副書記は直近で「第3次世界大戦」や「核戦争」といったワードにも言及している。


●対中“本気モード”のバイデン米政権


 また、次に思い浮かぶのは、22年に入って頻繁にミサイルを発射している北朝鮮の存在だ。浜田靖一防衛相は10月に入って、同国の核実験実施準備が整っている可能性があるという認識をはっきりと示した。株式市場ですら、相次ぐ北朝鮮のミサイル発射に慣れてしまっている面があるものの、その裏で着実に事態は悪化しているのである。


 そして、忘れてはならないのが中国である。中国共産党は、5年に1度の党大会を前に「7中全会」と呼ばれる重要会議を開催。そこで、最高規則の「党規約」の改正などについて討議したことが先に報じられた。16日から開かれ22日に閉幕予定の党大会では、習近平国家主席の権威を更に高めるべく、実際に党規約改正が行われ、慣例を破る異例の3期目入りがほぼ確実なものとなっている。長期政権による歪みはどの国でも見られる事象だが、中国の場合、その歪みが対外的な関係においても発揮されかねない。外交・軍事戦略の指針「国家安全保障戦略」を米バイデン政権が発表し、その中で唯一の競合国は中国だと明記している。党大会の中で台湾統一に向けては武力行使も辞さない姿勢を示した習主席の続投で、引き続き米中の緊張関係も続いていくことになる。


●断トツの存在感示す三菱重、2番手は川重


 こうした状況下で株式市場でも「防衛」関連の銘柄に投資マネーが静かに流入している。日本にとっても地政学リスクはかつてなく高まっていることは否定できない。有事は起こり得る以上、関連銘柄の値動きは要チェックとなる。


 自衛隊が使う航空機や艦船、車両、通信システムといった防衛装備品の開発と生産に関わる防衛業界における21年度の契約実績では、三菱重工業 <7011> [東証P]が12式地対艦誘導弾、16式機動戦闘車、護衛艦、潜水艦、12式魚雷、地対空誘導弾ペトリオット、次期戦闘機、極超音速誘導弾要素技術の研究試作など契約額ベースで4591億円とランキングトップであり、全体調達額に対する比率(シェア)は25.5%を占める。


 川崎重工業 <7012> [東証P]は2071億円で2位であり、調達額に対する比率は11.5%を占めている。同社は陸幕への中距離多目的誘導弾、海幕にはP-1固定翼哨戒機、空幕にはC-2輸送機、装備庁にスタンド・オフ電子戦機などを納入している。昨年10月には防衛省向け潜水艦「はくげい」の進水式を行っており、竣工は23年3月を予定。リチウムイオン電池採用による高い潜航性能を備え、各種システムの自動化、高性能ソーナー装備による捜索能力の向上及びステルス性能の向上などが図られている。


 三菱電機 <6503> [東証P]は966億円で、03式中距離地対空誘導弾、ネットワーク電子戦システム、99式空対空誘導弾、エレメントレベルDBF空中線の研究試作などを納入している。NEC <6701> [東証P]は900億円で、自動警戒管制システムや防衛省OAシステム基盤などを納入した。富士通 <6702> [東証P]は統合IP伝送システムなどを納入しており、契約額は757億円。また、東芝 <6502> [東証P]はグループで社会インフラ事業を行う東芝インフラシステムズが664億円だった。IHI <7013> [東証P]は575億円であり、次期戦闘機、次期戦闘機用エンジンシステムなどを納入した。


●防衛分野の関連有力株が目白押し


 SUBARU <7270> [東証P]、日立製作所 <6501> [東証P]、沖電気工業 <6703> [東証P]、コマツ <6301> [東証P]、ダイキン工業 <6367> [東証P]、日本製鋼所 <5631> [東証P]といった企業のほか、ジーエス・ユアサ コーポレーション <6674> [東証P]も関連有力株だ。グループで宇宙用リチウムイオン電池などを手掛けているジーエス・ユアサ テクノロジーでは、潜水艦用主蓄電池(SLH)を納入している。なお、ジーエス・ユアサ テクノロジーは130億円で調達額に対する比率は1.0%未満にとどまっているが、環境やエネルギー問題などから、これからも長期的に需要が見込まれそうだ。


 こういった企業が防衛関連のコア銘柄となるが、部品をつくる下請け企業まで含めると裾野は広く、戦闘機や戦車はそれぞれ1000社程度、護衛艦は数千社が関与すると言われている。株式市場では中小型材料株の位置付けで動意しやすい銘柄がある。例えば、機雷などを手掛ける石川製作所 <6208> [東証S]や火工品を扱う細谷火工 <4274> [東証S]、防護マスク及び防護衣などの興研 <7963> [東証S]、防毒マスクの重松製作所 <7980> [東証S]、防衛関連設備の多摩川ホールディングス <6838> [東証S]などは値動きの速さが魅力だ。


 このほか、協栄産業 <6973> [東証S]は3Dプリンター を取り扱っているが、各国の軍事・航空・宇宙への3Dプリンターによる先進的な活用の事例などもあり、3Dプリンターに関連する銘柄なども防衛関連の一角として注目する動きがある。更に、防衛省は「防衛産業サイバーセキュリティ基準」を整備していることで、サイバーセキュリティー対策における関連銘柄なども今は防衛関連(サイバー防衛)の一角とみなす動きが強まっている。



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