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環境重視で「木材関連株」は新成長局面、相次ぐ木造ビル建設で注目度上昇

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


―炭素固定化の効果を本格評価へ、改正木材利用促進法の施行なども後押しに―


 木材を活用した中高層建築への関心が高まっている。二酸化炭素を吸収した木を建材として使用することで長期間にわたり炭素を固定化できることから、脱炭素の観点で注目されており、各地で建設の動きが相次いでいる。政府もこうした動きを後押しする構えで、昨年には民間建築物の木造化を促す改正木材利用促進法を施行した。また、利用促進とともに重要性が増す木材の安定供給についても、国産材の供給力を強化する方針を示しており、ここにきて木材を巡る環境には追い風が吹いている。株式市場でも折に触れ「木材」の投資テーマに光が当たることになりそうだ。


●菱地所やヒューリック、東京海上など木造ビル続々


 三菱地所 <8802> [東証P]は昨年、国内初の高層ハイブリッド木造ホテル「ザ ロイヤルパーク キャンバス 札幌大通公園」を開業した。木造と鉄筋コンクリート造を組み合わせた構造で、高層部は純木造となっている。ホテルの客室やロビーのインテリア、床材など、さまざまな部分に木材が多く使われており、構造材のおよそ80%に北海道産の木材が採用されている。


 ヒューリック <3003> [東証P]は東京の銀座で、耐火木造の12階建て商業施設「HULIC &New GINZA 8(ヒューリックアンニュー ギンザエイト)」を昨年竣工した。柱や梁に耐火集成材を用いたほか、粘性体ダンパーを利用した制振装置や木防振柱、CLT(直交集成板)合成床版を採用し、耐震性能も向上させた。大林組 <1802> [東証P]は今年5月に純木造の高層建築物「Port Plus(ポートプラス)」を完成させている。柱や床、壁などすべての地上構造部材に木材が使われており、独自技術によって耐火性と耐震性を実現した。東急不動産ホールディングス <3289> [東証P]は6月に木と鉄骨のハイブリッド耐震システムを採用した13階建てビル「COERU SHIBUYA(コエルシブヤ)」を竣工している。


 今後登場する予定のものでは、第一生命ホールディングス <8750> [東証P]傘下の第一生命保険と東邦銀行 <8346> [東証P]が宇都宮市で共同開発中の中層木造オフィス、同じく第一生命保険が東京の京橋で進めている木造オフィスビル計画のほか、野村不動産ホールディングス <3231> [東証P]の木造ハイブリッド構造を採用したビル「H1O青山」など。東京海上ホールディングス <8766> [東証P]が東京丸の内で2028年度に竣工予定の国産材を使用した新本店ビルも話題を呼んでいる。


●住友林は木造超高層建築物を実現へ


 昨年起こった木材価格の高騰「ウッドショック」によって一躍脚光を浴びた木材関連株だが、木造ビルなど非住宅分野での木造化の流れが強まるなか投資家の視線は再び熱を帯び始めている。関連代表格に挙げられるのが、住友林業 <1911> [東証P]だ。同社は「W350計画」という研究技術開発構想を掲げており、創業から350周年を迎える41年に高さ350メートル、70階建ての木造超高層建築物の実現を目指す構えだ。木材比率9割の木鋼ハイブリッド構造となる予定で、設計協力は設計事務所大手の日建設計(東京都千代田区)が担当。直近9日に発表した上期決算は、米国事業の好調で大幅増収増益で着地。あわせて通期見通しの上方修正を発表しており、16%増収、営業25%増益の予想。配当も80円から125円に増額している。


 住宅資材商社のジューテックホールディングス <3157> [東証S]は、木造と鉄骨造を組み合わせた新たな本社ビルを現在建設中だ。設計施工は住友林と鹿島 <1812> [東証P]で、建材には鹿島の純木質耐火集成材「FRウッド」を使う。土屋ホールディングス <1840> [東証S]傘下の土屋ホームは、北海道産の木材を使った4階建てのマンション「LAPEACE(ラピス)」を手掛けている。


●ナイスやウッドワン、ホクシンなどに引き続き注目


 木材関連株として注目度の高いものでは、住宅関連商社で木材取引市場を運営するナイス <8089> [東証S]、ニュージーランドに自社保有林を持つ木製建材大手のウッドワン <7898> [東証S]のほか、プレカット木材加工のシー・エス・ランバー <7808> [東証S]、中質繊維板最大手のホクシン <7897> [東証S]、宮城県内に自社山林を持つ住宅関連総合商社の山大 <7426> [東証S]など。


 木質廃棄物の加工建材「パーティクルボード」を製造する東京ボード工業 <7815> [東証S]、集成材を手掛けるセブン工業 <7896> [東証S]、独自の木造建築システム「SE構法」を提供するエヌ・シー・エヌ <7057> [東証S]なども。


 木造化の流れはデベロッパーや建材メーカーなどの商機拡大にもつながることになりそうだ。大和ハウス工業 <1925> [東証P]や積水ハウス <1928> [東証P]、オープンハウスグループ <3288> [東証P]に加え、大建工業 <7905> [東証P]やJKホールディングス <9896> [東証P]、ノダ <7879> [東証S]などを押さえておきたい。



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