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跳躍するITインフラ関連、「デジタル田園都市」実現へ国策の風

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


―5Gや光ファイバー、データセンターなど拡充で関連企業にビジネス機会―


 この日の東京市場で、日経平均株価が前日比573円安の2万7214円まで下押す場面があった。米国の金融引き締め加速の観測が一段と強まるなか、米景気への影響が懸念されたようだ。ただ、政府が注力する分野などはマークしておく必要があり、そのひとつとして挙げられるのがITインフラ関連株だ。総務省が3月29日に公表した「デジタル田園都市国家インフラ整備計画」は、岸田文雄首相が推し進める「デジタル田園都市国家構想」の実現に向けた基盤となるもので、第5世代移動通信システム(5G)や 光ファイバー、 データセンター、 海底ケーブル、Beyond5G(いわゆる6G)といったデジタルインフラを早期に日本全国で展開するとしている。


●総務省「整備計画」公表


 岸田政権は成長・分配の好循環とコロナ後の新しい社会の開拓をコンセプトとした「新しい資本主義」を目指し、その成長戦略の最も重要な柱として、デジタル技術の活用によって地域課題の解決を図る「デジタル田園都市国家構想」を掲げている。同構想を実現するためにはデジタル基盤の整備が不可欠であることから、同省は2019年6月に策定した「ICTインフラ地域展開マスタープラン」(20年7月と同年12月に改定)の後継にあたる同整備計画を新たに作成した。


 昨年12月には岸田首相が5Gの人口カバー率(500メートル四方エリアのうち、5G通信ができるエリアの人口の合計を総人口で除した割合)を現在の3割程度から23年度に9割に引き上げるとともに、日本周回の海底ケーブルを3年程度で完成させ、十数ヵ所の地方データセンター拠点を5年程度で整備する方針を示している。光ファイバーについても30年までにユニバーサルサービス(基礎的電気通信役務)化を実現するとしており、関連銘柄のビジネス機会が広がりそうだ。


●5G


 NTTドコモ(東京都千代田区)やソフトバンク <9434> [東証P]などの携帯各社が20年3月から商用サービスを開始し、都市部を中心に整備が進んでいるが、地域によっては整備状況に差があることなどが課題となっている。整備計画ではニーズのあるほぼすべてのエリアで5G親局(高度特定基地局)の全国展開を推し進め、人口カバー率を23年度末時点で95%、25年度末に97%、30年度末に99%まで引き上げるとしている。


 関連銘柄としては、基地局工事を手掛けるミライト・ホールディングス <1417> [東証P]、コムシスホールディングス <1721> [東証P]、エクシオグループ <1951> [東証P]など。また、通信インフラのシェアリングなどを提供するJTOWER <4485> [東証G]、基地局向け計測器大手のアンリツ <6754> [東証P]、5G基地局向けテスト装置を扱うアルチザネットワークス <6778> [東証S]にも注目したい。


●光ファイバー


 高速インターネットの利用に欠かせない光ファイバーの整備については、従来目標を約3年前倒しして、27年度末までに全世帯の99.9%を網羅できるように整える。21年度末のインフラ未整備世帯数は17万世帯あるが、これを5万世帯まで減らすとしているほか、有線ブロードバンドサービスをユニバーサルサービスのひとつとして位置づけ、不採算地域での維持管理費用を支援するとしている。


 主な関連銘柄は、光ファイバーなどの製造プロセス用石英チューブを扱うMARUWA <5344> [東証P]、難燃高強度光ケーブルを手掛けるJMACS <5817> [東証S]、多芯光ファイバー特殊加工品など各種光部品・デバイスを提供する湖北工業 <6524> [東証S]、光ファイバー内を伝搬する光伝送信号強度を監視する「光モニタ」製品などを展開するsantec <6777> [東証S]、さまざまな光通信用部品を製造する精工技研 <6834> [東証S]、光ファイバーケーブルを取り扱うダイコー通産 <7673> [東証S]などが挙げられる。


●データセンター


 データ需要の拡大を背景にデータを蓄積・処理するデータセンターの重要性が高まっているが、その6割程度が東京圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に集中していることから、災害に備えた分散化が求められている。政府は十数ヵ所の地方拠点を5年程度で整備する計画で、大規模施設を最大で5~7ヵ所新設するという。


 こうしたなか、大和ハウス工業 <1925> [東証P]はデータセンターブランド「DPDC(ディープロジェクト・データセンター)」を始動したほか、アイネット <9600> [東証P]は人工知能(AI)関連事業を展開するAVILEN(東京都中央区)とデータセンターの無人化に向けた研究開発を推進。データセンターを運営するAGS <3648> [東証S]、ブロードバンドタワー <3776> [東証S]、さくらインターネット <3778> [東証P]、システムサポート <4396> [東証P]、アルテリア・ネットワークス <4423> [東証P]の動向にも目を配っておきたい。


●海底ケーブル


 国内の海底ケーブルは主に太平洋側に敷設され、日本海側が未整備となっていることや、海底ケーブルの終端である陸揚局が房総半島に集中していることが課題だ。11年に発生した東日本大震災の際には太平洋側の海底ケーブルの多くが切断されたことを踏まえると、通信ネットワーク強靱化の観点から地方分散が重要で、整備計画では3年程度で日本を周回する「デジタル田園都市スーパーハイウェイ」を完成させるとしている。


 直近では古河電気工業 <5801> [東証P]、住友電気工業 <5802> [東証P]、NEC <6701> [東証P]、KDDI <9433> [東証P]グループのKDDI総合研究所などが、マルチコアファイバーによる光海底ケーブルの大容量化を実現する基盤技術を開発したと発表。NTT <9432> [東証P]傘下のNTT西日本、ソフトバンク、沖縄セルラー電話 <9436> [東証S]の3社は沖縄本島(沖縄島)、石垣島、宮古島及び久米島を結ぶ大容量光海底ケーブルの共同整備に関する基本協定を締結している。また、海底敷設光通信レーザーモジュール用の製品を製造する大泉製作所 <6618> [東証G]にも注目したい。


●6G


 6Gでは、必須特許の10%以上を確保し、世界市場の30%程度のシェア確保を目指す方針だ。25年に開催される大阪・関西万博を起点として、通信インフラの超高速化と省電力化、陸海空をシームレスにつなぐ通信カバレッジの拡張、利用者にとって安全で高信頼な通信環境の整備を順次進めるとしており、5G関連事業を手掛ける企業に商機がありそうだ。



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