―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―
―「FOMC」「米企業決算」「ウクライナ」が不安要因、金価格など注目も―
25日の日経平均株価は前日比457円安の2万7131円で取引を終えた。一時、2万6890円まで売られ、2021年8月につけた昨年来安値(2万7013円)を下回る場面があった。結局、2万7000円ラインは引けにかけ維持したが、先行きへの警戒感は強い。特に、株安の震源地となっている米株式市場は、注目の米連邦公開市場委員会(FOMC)が近づいていることに加え米大手IT企業の決算発表を迎える。更に、足もとでは新たにウクライナ情勢の緊迫化という警戒要因も加わった。「FOMC」「米企業決算」「ウクライナ」の3つの不安要因を抱えるなか、東京市場は軟調相場を抜け出すことはできるのか。
●米恐怖指数は一時38.94まで急伸、NYダウ先物を注視
この日の日経平均株価は一時2万7000円を割り込んだ。この背景にあるのが、世界の株式市場の牽引役を果たしていた米株式市場の変調だ。市場の注目を集めたのが24日のNYダウの動向だ。米金融政策の早期引き締め懸念にウクライナ情勢の緊迫化が警戒され、NYダウは一時1115ドル安と急落した。前日まで6日続落しており、そこに更なる追い打ちがかかった。「恐怖指数」と呼ばれるVIX指数も一時38.94まで急伸した。ただ、今年1月5日につけたザラ場の最高値(3万6952ドル)から1ヵ月足らずで一時10%強の下落となったことから売り一巡後は下値に買いが入り、結局99ドル高と上昇して取引を終えた。
このNY市場の乱高下を受けた、この日の日経平均株価は急落した。これは、「NYダウ先物が再び値を下げている動きを反映したもの」(市場関係者)とみられている。世界的な株価急落の震源地である米国市場を注視する動きは強く、足もとのNYダウなどの動向に関心が集まっている。特に、今週は重要イベントが集中しており、その結果は今後の相場を大きく左右するとみられている。最大のポイントは、25~26日のFOMCで3月以降と予想されている利上げに向けた動きを市場はスムーズに織り込ませることができるかだ。市場には「FOMC後に米長期金利が低下するか、どうかが焦点」(アナリスト)との見方も出ている。
●米大手ハイテク決算とウクライナ情勢が相場左右も
また、米大手IT企業の決算発表に対する警戒感も強い。今晩はマイクロソフト<MSFT>、27日にアップル<AAPL>の決算が予定されている。直近では大手ハイテク企業の決算発表の先陣を切ったネットフリックス<NFLX>の内容が失望を呼び、株価は21日に20%超安と急落した。米大手ハイテク企業の株価は、相当高い成長期待を織り込んでおり、いまひとつの内容では失望売りを浴びかねないことが同社の決算で表面化した。その意味で、大手ハイテクを中心とする米企業の決算は高い関心を集めている。
そこへ更に、新たな懸念材料としてウクライナ懸念が加わった。ロシアによる侵攻に備え米国はウクライナ大使館の家族に退避命令を出したほか、東欧地域に最大8500人規模の米軍を派遣する準備に入った、と伝わった。このウクライナ情勢がどう動くかも、大きなポイントに浮上している。
●「パウエル・プット」不在で押し目買いに不安感も
警戒材料が目白押しの状態だが、市場関係者は「今回の下落が、これまでと異なるのは、相場が下がった場面では米連邦準備制度理事会(FRB)が相場を支えてくれる、いわゆるパウエル・プットが期待できないことだ」という。米国は利上げ局面にあり、当面金融緩和に転じることは見込めない。となると、金融緩和によるサポート要因は期待できないだけに、急落場面での押し目買いが功を奏するかは不透明となる。それだけに、これまで以上に慎重に足もとの材料を見極める必要が出ている。
今後、再び日経平均株価が2万7000円を割り込んだ場合の下値メドとして証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は「一目均衡表の抵抗帯の下限となる2万6300円」を挙げており、現在の相場を当面の正念場と捉えている。また、第一生命経済研究所の嶌峰義清首席エコノミストは、「いまの米国のインフレ懸念は新型コロナウイルスのオミクロン株の影響による供給不安という、金融政策では対処できない要因を抱え込んでいる。FRBの利上げペースがどうなるかが焦点だが、それはしばらく分からないだろう」と述べ、当面不安定な相場が続くとみている。
●金ETFや原油、ニッケル、穀物関連銘柄などに注目
とはいえ、いったんは1月のFOMCなどを通過すれば安心感から、東京エレクトロン <8035> やレーザーテック <6920> といった値がさハイテク株を中心とする目先の反騰相場が期待できるかもしれない。ハイテク株の動向をみるうえでは、26日の日本電産 <6594> の決算も要注目となる。
ただ、特にウクライナ問題が深刻化した場合、ロシア制裁も考慮に入れた天然ガスや原油などエネルギー価格の高騰なども視野に入れる必要が出てくる。また、ウクライナは穀倉地帯であり小麦などの穀物価格上昇の懸念も残る。ロシアは原油やニッケルなどの産出国である点にも注意は必要だ。ウクライナ情勢の混迷の継続を視野に入れた金価格の上昇で住友金属鉱山 <5713> やSPDRゴールド・シェア <1326> [東証E]など金ETF、それにINPEX <1605> や石油資源開発 <1662> など原油関連株、ニッケル関連の大平洋金属 <5541> 、穀物関連で伊藤忠商事 <8001> や丸紅 <8002> など商社株などにも注目したい。
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