「総選挙」と「テスラ効果」に思惑 

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 きょう(27日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比7円安の2万9098円と小反落。一時200円以上安い場面があったが、後場後半は一貫して戻り足となり結局この日は高値引けとなった。押し目買い意欲旺盛と言いたいところだが、そういうムードでもなく、きょうの後場の日経平均に浮揚力を与えた正体は何かといえば、インデックス買いによるファーストリテイリング<9983>の上昇であった。


 前日は先物主導で日経平均が500円超の上昇をみせたが、これは“AIアルゴリズム”の突風で舞い上がったものであり、相場のトレンドとは別次元のものとして見ておく必要がある。きょうの日経平均は小反落とはいえ後半の追い込みが印象に残った。しかしこれは、ファストリ1銘柄のパフォーマンスで説明がつく。選挙期間中(解散日前日から投開票日前日まで)は株価が上昇するというアノマリーはほぼ達成されたとみてよさそうだが、目先的には月末の衆院選投開票を目前にやりにくい局面ではある。


 関係筋によると「自民党は比例区では強さを発揮しているが、選挙区では新人候補を中心にかなり厳しい感触」という。ただ、自民党が苦戦することは織り込み済みであり、単独過半数を割り込むようなドラスチックな展開にならない限り想定の範囲内といえる。市場では「現状は絶対安定多数の261と安定多数の244の間で収まるのではないか」(ネット証券アナリスト)という見方が示されていた。仮にこの予想を超えて自民党が議席数を減らしたとしても、以前に取り沙汰された「60議席減」などという状況に陥らなければ相場の波乱要因とはなりにくい。その場合、このビッグイベント通過後は「不透明要因が払拭された」という事実によって日経平均は上に向かうという見方も可能だ。


 今週はあすに日銀の金融政策決定会合の結果と黒田総裁の記者会見、そして欧州時間ではECB理事会の結果とラガルド総裁の記者会見が行われる予定で、日欧の金融政策発表が重なることになる。とはいえ日銀については現状維持という選択肢以外になく、ECBも足もとのインフレ圧力についてはFRBと歩調をあわせ「一過性のもの」という認識を示していることから、それほどタカ派的な内容にはなりそうもない。相場の波動に影響を及ぼす公算は小さく、ノイズすら発生しない可能性もある。


 また月末31日は国内では衆院選ばかりにスポットが当たっているが、同日から英国でCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)が11月12日までの日程で開催される。11月1日・2日には首脳級会合が予定されており、直近、岸田首相はこれに参加することを表明した。ご当人にとっては強行軍となるが、日本のカーボンニュートラルに向けた意気込みを示す機会ともなる。市場関係者からは「脱炭素は言われ尽くした感もあるが、岸田首相の積極的な姿勢を受け、この時期に株式市場でもテーマ買いの動きが再燃する可能性はある」(中堅証券ストラテジスト)という声が聞かれた。


 カーボンニュートラルを遂行するうえで分かりやすいシナリオがガソリン車の撤廃。電気自動車(EV)シフトが進むことを前提に関連銘柄に市場の視線が向かいそうだ。COP26にタイミングを合わせたわけではないだろうが、米EV大手テスラ<TSLA>の株価躍進が話題となっている。最高値圏に再浮上し、時価総額は今やトヨタ自動車<7203>4社分の規模である。関連銘柄では、モータコアの世界シェア60%の三井ハイテック<6966>が本命か。押し目があれば狙ってみたい。また、マザーズ上場のニューフェース、日本電解<5759>の時価総額はまだ300億円強で、こちらはテスラの実に4000分の1の時価総額である。このほか、穴株ではキョウデン<6881>に妙味あり。EV普及で需要急増が予想されるパワー半導体。その関連有力株としての側面はまだ株価に織り込まれていない。


 あすのスケジュールでは、9月の商業動態統計、9月の建設機械出荷額、日銀金融政策決定会合の結果発表と黒田日銀総裁の記者会見など。国内主要企業の決算発表では、武田薬品工業<4502>、オリエンタルランド<4661>、ソニーグループ<6758>、アドバンテスト<6857>、キーエンス<6861>、ローム<6963>、ルネサスエレクトロニクス<6723>などがある。海外ではECB理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見、10月の独消費者物価指数(CPI)、7~9月の米GDP速報値など。米主要企業の決算発表ではアップル<AAPL>、アマゾン<AMZN>、キャタピラー<CAT>などが注目される。



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