あすの米雇用統計が大きなヤマに

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています―


 きょう(7日)の東京株式市場は、日経平均株価が前営業日比149円高の2万7678円と9日ぶりに反発。ようやく切り返しに転じたものの、力強さに欠ける結果となった。


 朝方は大きく買い優勢となり、日経平均は一時500円近い上昇で2万8000円大台を回復する場面もあったが、後場寄り早々に大口の売りが出て急速に伸び悩む展開となった。前引けの日経平均は461円高の2万7990円と大台まであと10円というところで着地。しかし、あすのオプションSQ算出を前に指数寄与度の高い東京エレクトロン<8035>やダイキン工業<6367>など値がさ株を動かして無理やり押し上げた感も強く、日経平均だけ別世界の戻り足という趣きは否めなかった。それは前引け時点のTOPIXが14ポイントあまりの上昇にとどまっていたことでも裏付けられる。そして、後場はその違和感が如実に反映される形となった。


 SQ前日に2万8000円大台ラインを意地でも突破させないという思惑なのかどうか、後場の取引開始と同時に売り爆弾が投下され、日経平均は100円強の上昇まで失速、その後は踏ん張ったものの大引けは149円高だった。TOPIXはマイナス圏に沈み9日続落となった。9日続落は2012年7月に記録して以来9年3カ月ぶりとなる。なお、値下がり銘柄数が1200を上回り値上がり銘柄数を400も上回っていることから、日経平均は一矢を報いたように見えても実質的には下げ相場が継続しているに等しい。


 足もとの日経平均の乱調ぶりは、まさに一般投資家とは無縁の空中戦の様相を呈している。10月の急落は、米国と中国がそれぞれ抱えるリスク要因(米連邦政府の債務上限問題・恒大集団の資金繰り不安)が火を噴いた格好だが、それはそれとして「東京市場の波乱は、中国・国慶節という特殊事情とあす8日のオプションSQ算出という日程を絡めた外資系ファンドの仕掛け的要素が強い」(中堅証券ストラテジスト)という。“おもちゃにされている”というと語弊があるが、9~10月は予測不能のジェットコースター相場で、個別株をファンダメンタルズ重視で買おうとするまともな投資家にとっては正直離れて眺めていた方がよい相場である。


 通常は選挙に向けて株価は上昇基調をたどるというのが相場の不文律だ。しかし今回は、今のところ例外的な展開となっている。ここでの下げを“岸田ショック”と呼ぶのは新総裁には気の毒な部分もあるが、「海外投資家は岸田氏にマイナスのイメージを持っていることは確かで、総裁選直後の売買手口に表れている」(同)という。岸田新総裁が「数十兆円規模の経済対策を打つ」といった言葉は木の葉のように軽くみられ、一方で金融所得課税の増税方針が重く刻み込まれている。「成長と分配の好循環」と「令和の所得倍増」は習近平中国国家主席の掲げる「共同富裕」を想起させ、海外投資家にすれば日本株投資を思いとどまらせるほどのインパクトを持つネガティブワードとなっているようだ。


 そして、原油高騰と米長期金利の上昇をBGMとしたスタグフレーションへの懸念はなかなか拭い去れない。あす日本時間夜9時半に発表される9月の米雇用統計に対するマーケットの関心が今回は極めて高いようだ。米景気の回復が株価の押し上げ材料となる時間帯は過ぎたようにも思えるが、やはりポイントとなるのは非農業部門の雇用者数よりも平均賃金の方であろう。雇用統計を受けたあすの米国株の動向は、来週の東京市場を大きく左右することだけは間違いない。


 個別株は日替わりで波紋を変えており、なかなか選別が難しい。要はタイミングであり、ここから相場がリバウンド局面に移行するのであれば、ここ急速に売り込まれた半導体製造装置関連の主力どころや海運株を拾うのが手っ取り早い。しかし、中長期で全体相場のトレンドが上向きを維持しているのかどうかは現状ではまだ見極めにくい段階にある。


 あすのスケジュールでは、8月の国際収支、9月の景気ウォッチャー調査など。東証2部と名証2部に日本エコシステム<9249>が新規上場する。また、この日はオプションSQ算出日にあたる。海外では9月の財新中国非製造業PMI、インド中銀の金融政策決定会合。米国では9月の雇用統計発表に注目度が高い。



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