明日の株式相場に向けて=ビットコイン急落、個別株戦略の急所は

―本記事は情報拡散を目的に作成しています。ご紹介している文書は、各情報サイトおよび各企業様のホームページ等から引用させていただいています


きょう(19日)の東京株式市場は、日経平均株価が362円安の2万8044円と反落。大きく切り返して底入れを期待させる動きを見せたかと思えば、翌日にそれを御破算にするような軟調地合いを演じる。「こうしたボラティリティの高い地合いは、リスクパリティファンドなどの持ち高を減らす動きが想起され、中期的にリスクを取ることをためらう投資家が増えてくる」(ネット証券マーケットアナリスト)と指摘する声も聞かれる。しかし、弱気優勢かといえばそうともいえず、売り方にすれば今の相場が売り叩けるような地合いには映っていないと思われる。こうした環境で何度も踏み上げ相場が繰り返されてきた。


 「友なきほうへ行け」という相場格言がある。人と同じ方向に視線を合わせていても、そこに果実は落ちていないというのが投資の本質である。しかし、今の株式市場はある意味“気迷い相場の極致”といってもよく、どちらに行ったら友が多いのか少ないのかも分からないような状態だ。基本は様子見の時間帯であり、自らに都合の良いシナリオで安易に投資の方向性を決めてはならないという場面。個別株は機動的な売買を念頭に置いて、引き続きキャッシュポジション高めを維持することを心掛けたい。


 インフレ懸念のバロメーターである米10年債利回りは直近1.6%台前半の推移で、ひと頃の2%台乗せまであっという間という、切迫したような雰囲気ではない。しかし、株式市場はインフレの足音に過剰に神経質になっている。ビットコイン価格が直近急落し、4万ドルを下回ったことなども、過剰流動性が曲がり角を迎えたとの思惑を生んでいるようだ。


 業績相場を期待するには今の日経平均のPER15倍弱は高すぎる。ソフトバンクグループ<9984>1社の最終利益が大きすぎるため、実質的にはこれよりも更に割高な水準との見方が海外投資家の買いを鈍らせている。ワクチンが普及すれば自然と日本株も見直されるという意見もあるが、それは既にワクチン普及による経済正常化を織り込んだ米国株が上昇軌道を取り戻すことが、前提条件となることは言うまでもない。


 個別ではアートスパークホールディングス<3663>が強さを発揮している。5月10日に398円高に買われた後、全体地合い悪もあって調整局面に入ったが、下げ幅はわずかにとどめて切り返す展開。12日のザラ場高値3305円を上回ってくれば一段の上値も期待できる。同社株は16年11月に3555円の最高値を形成しているが、今回の波動でどこまで迫れるかが注目される。また、株価3ケタ台の教育DX関連ではODKソリューションズ<3839>の押し目にも着目。商い薄だがここにきて動兆しきり。信用買い残もほとんど積まれていない状態で、商いが膨らめば小型株特有の俊足を発揮しそうだ。


 全般こういう地合いだからこそ、今期業績好調銘柄の押し目を狙うのが有効となるが、プラスアルファとして何か評価ポイントが欲しいところ。例えば、21年12月期営業利益が前期比2.2倍の41億円を予想するソディック<6143>はNC放電加工機で圧倒的な世界シェアを誇るオンリーワン企業として上値余地が大きい。ポスト・レーザーテックとまでは言えないが、0.8倍のPBRはグローバルニッチトップとしてはあまりに評価不足だ。低PBRの見直しという点では自動車部品メーカーも該当する。勝ち組トヨタ系列の愛三工業<7283>のほか、今期業績予想がサプライズを呼んだいすゞ自動車<7202>傘下のIJTT<7315>は中期的にも目が離せない。IJTTは株価600円台と値ごろ感があるうえ、予想PER5倍台、PBRは0.3倍台。モーター駆動システムの開発など電動化対応も着々と進めており、この水準で放置され続けるとは考えにくい。


 このほか、きょうはマザーズ指数が東証1部とは裏腹に堅調な値動きで、底入れの兆しをみせている。その背景にあるのがバイオ株の切り返しだ。バイオ関連は総じて信用買い残の重石が気になるが、それも併せ呑んだうえでチャートの形の良い銘柄に素直につく作戦が分かりやすい。新日本科学<2395>はマザーズではなく東証1部に属するが、業績面で不安がなく、新型コロナ関連の一角としてのテーマ性を内包しており注目してみたい。700円台後半で煮詰まり、次の飛躍を期待させるタイミングにある。


 あすのスケジュールでは、4月の貿易統計、3月の機械受注、4月の首都圏マンション販売など。海外では5月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、米20年債入札など。